2013年のゴールデンウィークいかがお過ごしですか?
今年は意外にも東京で過ごす方が多いようにも感じます。人が東京に押し寄せているのでしょうか?
かくいう自分もその一人ですが、こういう時には普段なかなか思いを馳せることのできていない家族のことなどを考えてみたりするものです。
ズバリ、タイトルにもしました本の題名は、私の義理の兄にあたります精神内科医、川村則行の好著です。身内が言うのも何ですが、ここ何年もまともにおつきあいしていない間柄です。それでもここ数年は、本人の活躍は耳に入ることが多く(開業直後NHKでも取材されました)この広い世の中でどなたかのお役に立たれている事を嬉しく思う限りです。
そんな訳でつい先日、タイトルの書をアマゾンで購入してみました。
他にも著作は複数、他社出版社からも出版されていますが、アマゾンの本の中身を閲覧するでこちらに(PHP研究所発行「生きる力がわいてくる本」)決めました。
義兄の得意とするところの人間観察(まあ、精神内科医ですから当然ですが)が利いていて、これまで往診された患者さんの事例に沿って、「人はなぜくじけるのか」を紹介。人間のくじるける「心の法則」を解き明かしながら、「こんな時はどう考えればよいのか」(心が軽くなるか、幸せになれるのか)を川村独自の視点で紹介しています。
重ね重ね、身内が言うのもなんですが、40代半ば頃(今の私と同じ歳)に書かれたこの本は、円熟味を帯びて来ているように感じます。
実に様々な方の症例に合わせて、症状の根本原因を説き明かし、一刀両断すべきところは一刀両断し、一見冷たく感じられるかもしれませんが、その言葉の奥にあるものは人間への”愛”に他ならないと感じます。
また、具体的な症例も多岐に渡っており、どの方にもほとんどのケースが、「自分にもあてはまるのではないか」と感じられる事ではないかと思うのです。(誰しもが心の病にはかかる可能性はあるのです。)
詳細はこちらで書き記すよりもぜひ、一度ご一読頂ければと思うのですが、私自身、最近、自分に対して「正直にありたい」という気持ちを深めているところです。そして、なぜ、「人間はそのように考えるに至ったか」、という人間のバックボーンというものを改めて考える事の大切さを実感しているところです。
バックボーンを見つめ、新たな自分の人生を生きる切り口として、この本は非常に有効であると思われますので、ぜひ、義兄の辛口で切れ味鋭くも人間を真っ正直に見つめようとする学者魂に触れてみてください。
最後に、至ってプライベートな文脈ではありますが、私自身の姉に関する記述がありましたのでこちらを紹介したく思います。もう20数年になる二人の足跡ではありますが、社会に足場を固め、ふたり二人三脚で日々共に互いを助けとし、多くの方の方々に必要とされる人生を歩んでおられます事を心より、有難く、嬉しく思う次第です。
第4章 こんなときは、こう考えよう ーよくある悩みの処方箋ーより
「自分は自分らしく生きていないのではないかと思い始めたのは中学2年のころからで、(中略)しかしその後も、どうしても期待される人間像のように振舞おうとしたのです。
そういう無理をして相手の要求に応じるということをやっているのがくだらないと思えるようになったのは、二十七、八歳頃になってからです。妻と出会い、二十九歳で結婚したころからようやく自分らしくなれたような気がします。妻とは本音でしゃべることができるので、一緒にいるとカウンセラーと話しているような癒しの感覚を受けます。やっと自分らしく生きる場所が見つかったという感じです。」
この書籍の中で一番実感のこもっている言葉なのではないでしょうか。
川村則行氏とその妻である姉、浩子に愛と感謝をこめて。