ながーい国会議員の皆さまの夏休みを経てようやく開催の運びとなりました。
ねじれを解消しての本国会は、どこか政治家の先生方も(あきらめるべきところはあきらめたせいか)、皆晴れやかで、威勢のよい掛け声も「よっ!」「そうだー!」(拍手―!!!)と、まるでお正月がやってきたみたいにノリノリ♪
それはそれで、脱民主政権後の我々国民は、すっきりとした心持ちで いいんですけどね。
にしても、総理の所信表明も、「消費税8パーセント増税をきめた」後だけに、「成長戦略の実行」「アベノミクスの徹底」に終始徹底していました。
そんな中、懸念されていたことが現実味を帯びて・・・、安倍さんが官僚にさらに取り込まれていっているのではないか、もっといえば、官僚主義の自民党実力者議員に歩みよっていっているでのはないか、ということです。
今日もっとも残念だったことは、あの石原前都知事の棺桶一歩手前のほぼ最後のお訴えを(質疑)をまったく無視されたことです。
もちろん質問にはきっちり回答をされました(お役人の原稿をそのまんまの読み上げでした)。今日ほど、安倍さんがロボコップに見えた日はありませんでした(涙)。
とにかく残念というよりほかないのですが、あれだけ老齢の、政治家人生残りわずかな石原さんが、言論人としての「最後のご奉公」に打ってでてるのに、あれはないですよな。
(※以下、いつもの体言止めで語ります)
http://www.ndl.go.jp/constitution/gaisetsu/ghq.html
要は、GHQ占領下での「日本国憲法を破棄しろ」と求めたくだりである。
あっ、そんなストレートなものいいではなかったですけど、それができるのは、「現役の総理だけである」、ともっとも安倍さんに対して期待を込めて発した直談判だ。
そう、冒頭、石原さんは、かの尊敬する三島由紀夫氏の比喩をだして、今、何が日本に大切か、日本人の政治を預かるものの、精神に魂に、何が必要であるかを指し示したのだ。
総理の答え方によっては、この国の根本を変えることになった重要な質問。
(その後の尖閣問題・有人化など、国を守る国民の実態にも触れて)
もう少し考える余地を残す発言であったならば、石原さんのみならず、中韓に国際的な激しいゆさぶりを受けている日本国民全員に対して福音ともなったものを、「60有余年たった今、日本国憲法は有効である」として、その一言でもってして、すがる腕を振りのけたのだ。
これは総理にとっても後に大きな禍根を残すことになるのではないかと、ようやく返り咲いた安倍政権にたいして危惧するものである。
あれだけ朝日や毎日のバッシングを受けて、いわれなき非難を受けた後に、その人柄と保守の心を請われて、国民の期待を受けて帰り咲いただけに、安倍さんの本心にかけて、これはひとこと、申し上げたいと思ったのである。
私は、安倍さんには心から「ご苦労様」とねぎらいのお言葉をおかけしたい。
しかし、されど、この10月、消費増税にふみきった過ちと同様に、深く官僚と結び付いた麻生さんを始めとする自民党中枢幹部にネゴる必要はないのではないか、ということをお伝えしたいのだ。
安倍総理は、安倍さんらしく、国民の期待を背負って再登板されたわけだから、その国民に対する背信行為をこそ、もっとも恐れるべきことなのではないか、ということだ。
さまざまなやっかみがあるであろう、まだまだ成長戦略も本物にはなっていないだろう。しかし、もうかつてのように、改憲派の安倍総理を目の仇のようにしてバッシングしていた朝日主幹はここにはいないのだ。だからこそ、「最後の敵は己自身である」と腹をくくっていただきたいのである。
そしてどうか、次に機会がもしも訪れたならば、大先輩である石原慎太郎議員の手を、払いのけるようなそうしたことはしていただきたくない。誠意ある言葉を投げかけていただきたいのである。
いまだからこそ、野党であっても進言してくださる最後の長老(保守政治家)であるのだから。
http://www.sensenfukoku.net/
https://twitter.com/i_shintaro
最後に、三島由紀夫氏が海外特派員相手に英語で講演する希少な音声(youtube)を発見しましたので、リンクを張っておきます。
三島は、フランス語も話せたそうですが、時にユーモアをまじえ、あの当時でどうやってこれだけの英語力を身に着けたのかと、驚くばかりです。稀代の天才作家は、どこか違う宇宙空間からやってきて、国際人となる日本人に戦後の生き方を問いかけたのかもしれません。
http://www.youtube.com/watch?v=JwGNfZqfiao